都内浅草駅から東武、野岩、会津鉄道を乗り継いで約3時間、思っていたよりも近いという感じを持ちつつ会津鉄道会津田島駅のホームに降り立ちました。この駅を拠点に昔ながらの農村風景が広がる福島県の南会津町、下郷町を巡りました。
訪れた当日、台風8号の接近によって梅雨前線が刺激された影響で南会津地方は雨が降ったりやんだりのあいにくの天候でしたが、最初に訪れた奥会津博物館では運良く雨も上がり、周りの木々の緑、しっとりと雨に濡れたあじさいの青色がより鮮やかに映え、渋い色合いの古民家が一層引き立って見えました。
奥会津博物館の敷地には数軒の古民家や水車小屋が移築されています。その中の一つが古民家レストラン山王茶屋。主に街道を行き交う旅人の休憩所として利用されていた家屋を移築、食事処として改装し、地元の食材を活かしたメニューを提供しています。
しんごろう!?。メニューを見て誰もが気になるユニークな名前の食べ物は、ご飯を半つきにして俵形にしたものに甘辛いじゅうねん(エゴマ)味噌をぬり焼いた南会津地方の郷土の味。ねっとりしたじゅうねん味噌は焼かれることによってより香ばしさが増します。そんな地元の名物を味わいながら昔の旅人の雰囲気にちょっと浸れるスペースでした。
南会津町の鄙びた温泉スポットを紹介します。舘岩地区の山間にある湯ノ花温泉です。地区内には4つの共同浴場①弘法湯、②石湯、③天神湯、④湯端の湯があり、宿で300円の宿泊入浴券を購入すれば全ての湯巡りができます。中でも川沿いにある石湯はワイルド。豪雨で流されてきたのか大きな石が一部浴場の建物を突き抜けています。源泉掛け流し、透明で熱めお湯は神経痛、冷え性等に良いとのことです。湯ノ花温泉には趣のある古民家民宿もあり、農村風景に浸りながらの滞在が楽しめます。
湯ノ花温泉の古民家民宿 山楽
温泉と民宿でゆったりした翌日は、湯ノ花温泉から車で10分程度の場所にある前沢集落に足を伸ばしてみるのも良いでしょう。茅葺き屋根の民家が何軒も立ち並ぶ集落を一巡りしながら、これらの家々は資料館ではなく実際に人が生活している住居であることに驚きと集落の絆の強さを感じます。集落の一角には曲家資料館があり、説明員の方から昔の曲家の中の様子や昔の人々の生活を聞くことができます。
お昼は隣の下郷町にある農家れすとらん蕎屋(きょうや)で自慢の十割そばをいただきました。店主の室井唯男さん、京子さん夫妻が苗から大切に育てた蕎麦、米、野菜を京子さんを中心としたスタッフが真心込めて調理し提供しています。丁寧な仕事で手打ちした蕎麦は艶、コシ、風味どれをとっても文句の付けようもありません。帰りの駐車場で見かけたお客さんの車のナンバーが会津以外だったというのもなるほど、とうなずけるお店です。
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