直売所

活気あふれる市民の台所 ~出荷者全員主役の直売所~

特産品

鶴岡の食の発信基地

 鶴岡産直組合しゃきっとは、今年で設立16年目を迎え、ここ鶴岡地域の中でも歴史の古い直売所です。鶴岡の農産物の情報発信や、地域の農家の所得向上を目的に、2001年6月に設立しました。

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 春には山菜、夏には枝豆や砂丘メロン、秋にはりんごや梨や柿、ぶどうなど、鶴岡が誇る、四季折々の豊富な農産物が店頭を彩ります。

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 そんな旬の味を求めて、開店前から入り口には人の行列ができ、開店と同時に店内は多くのお客さんでにぎわっていました。

 とりわけ開店直後の30分は、地元のレストランや居酒屋等の飲食店関係者も多く来店するのだとか。まずここでお目当ての野菜を探し、足りないものがあればその後スーパーで探す、という仕入れ方をする人が多いそうです。一般消費者だけでなく業者関係者からも、その鮮度と美味しさは折り紙つきです。

 併設の加工施設はありませんが、組合員が自前の加工施設で作った加工品は数多く出荷されており、とち餅やしそ巻き、だだちゃおこし、笹巻きなど、郷土のお菓子がたっぷり並んでいました。

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 また、伝統野菜の豊富なこの地域。特産品のだだちゃ豆や民田なすなどの時期には、ここ鶴岡でしか味わえない伝統の味も店頭に並びます。そうした野菜の特徴を生かすためのレシピも、店内各所に置かれており、鶴岡の食の発信基地としての役割をしっかりと果たしていました。

 そして、米どころ庄内ということもあり、米の種類も豊富です。つや姫やはえぬき、コシヒカリやひとめぼれなどの複数の品種の中から好きな品種を選んで、欲しい分だけその場で精米して購入できるのもうれしいですね。少しずつ買って食べ比べをして、品種の特徴を舌で実感してみても楽しそうです。

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 注目されるのは、東京のアンテナショップとの連携。銀座にある山形県のアンテナショップ「おいしい山形プラザ」に、毎日農産物の詰め合わせを直送しており、東京での固定客も多いのだとか。東京からの注文も年々増えているそうです。「銀座で自分たちの作った農産物が売られていることが組合員の自信にもつながっている」と組合長の菅原豊喜さんが教えてくれました。

しゃきっとは〝全員主役〟

 JA鶴岡支所に隣接しているため、JA直営店と思われがちですが、店を経営・運営するのは鶴岡産直組合。あくまで産直組合の組合員の出資によってできた店です。自分たちの店だから「みんな『しゃきっとにはいいものを出したい』という意識がある」のだと、菅原組合長。

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 取材日、開店前の店内は朝採ったばかりの農産物を出荷しに来た多くの生産者が忙しそうに動き回り、あふれるばかりの活気に満ちていました。

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 しゃきっとの組合員数は約140人。月に1度は集まって全体ミーティングをして、経営状況や、今後の予定、祭事についてなど、直売所の運営について話し合っているといいます。毎月一回の頻度で組合員全体が集まる機会を設けているという直売所は、なかなかあるものではありません。しゃきっとに溢れる活気は、こうした日々の積み重ねから生まれているのかもれませんね。

 「うちは出荷者みんな運営者」と菅原さん。「ミーティングでは、みんなが主役のつもりで意見を出している」と、誇らしげに語ります。生産者主体の運営が、店の空気を明るく、生き生きしたものにしていました。

豊かな食材と「振る舞い」の心

 月に最低2回は、その時々の旬の農産物を使って、お料理の振る舞いを続けていることも、同店の大きな魅力。冬には餅や赤飯、あさつき料理、春には山菜料理や孟宗汁、夏にはしそジュースや枝豆汁、秋には新米「つや姫」やきのこ汁など、地元でとれた農産物を使った、多彩な振る舞い料理の数々。こうした振る舞い料理の日には、それを楽しみにいつも以上に多くのお客様がしゃきっとに来られるのだとか。季節を感じられる手作りの味が、地域のファンのハートをがっちりとつかんでいるようです。

 しゃきっとの魅力についてお客さんに尋ねると、「鶴岡は、山があって、平野があって、砂丘まである。ないものはないってくらい。そんな地域でとれる種類豊富な野菜が、ここに来れば何でもあるということですね」と、笑顔で語ってくれました。 

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 設立から16年が経ち、組合員の高齢化も徐々に課題となってきたそうですが、「次の世代を呼び込みたい。直売所も、鶴岡地域の農業も良い方向につなげていければと思っている」と菅原組合長は、前を向いて話してくれました。

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