農家民宿

山間の集落に抱かれ、地域の中心であった廃校跡地に建つ、古民家風の宿 「いかだや」

田舎、自然が豊富、山間、郷土料理、料理がおいしい

蝉しぐれに包まれた宿に到着

内子の街並みを抜け、44番札所のある菅生山大覚院「大寶寺(だいほうじ)」向け、車を東に小田川をさかのぼること約20分、左に「いかだや」の看板が表れ、そこを曲がると大瀬東の集落に入ります。ここは、お遍路さんが利用する遍路道です。今でこそ川沿いに道幅の広い397号線ができ、そこを車が走っていますが、元は遍路道であり、大瀬東の集落にもたくさんのお遍路さんや人々の往来がありました。

image01

集落の中ほどの少し小高いところに、「いかだや」はあります。

この場所には、元々学校がありましたが、その学校が廃校になり、そこに遍路宿としては四国でNo.2と言われた小西屋を再現するかたちで建てられました。

もちろん、かつての学校の雰囲気も残っていて、体育館があり、そこででは集落の行事などは今でも行われています。また、「いかだや」の前には運動場が残っていて、今でも集落の子供たちの遊び場となっています。

image02

訪れたのは、夏の真っ盛りの8月初めでした。車のエンジンを切ると、耳に入るのはセミの鳴き声と、時々運動場で遊ぶ子供の声だけです。

到着すると、宿の管理を任されている河野さんがすぐに出迎えてくれました。にこやかな笑顔、人懐っこい笑顔が旅の疲れを癒してくれます。

お部屋に案内され、蝉しぐれのBGMを聞きながら、思わず畳上でゴロッとしてしまいます。

image06

お目当ては「いかだや」名物の田舎料理

18時を過ぎると、お待ちかねの夕食です。

囲炉裏の間に案内され、殿様気分で座布団につきます。食前酒の梅酒をいただくと、料理が次々と運ばれてきます。

食事のお相手に、河野さんがいかだ屋にまつわるお話をしてくれます。

image03

本日の夕食のメニューは、ささ身の梅しそ巻き、鮎の塩焼き、茄子の肉味噌和え、あめごの酢の物、煮しめ、湯葉、トマトとオニオンサラダ、天ぷら、ばら寿司、冷やしうどんの10品です。

高野さんいわく、「天ぷらのエビ以外は、ほとんど地元のものだよ」「うちの料理は田舎料理だけど、それを地域の女性たちが研究して、今風に仕上げました」「鮎は2時間前まで川にいた、超新鮮な鮎だから、美味いよ」

確かにおっしゃるとおり、どれもとても美味しくて、またお話しも楽しくて、時間の経つのを忘れてしまいます。

お料理の担当は、地元のお母さんで山本さんです。ご自宅は製麺屋さんということで、さすがにうどんが美味しい。もちろん鮎も脂がのっていて旬の贅沢を満喫できました。

image04

時間を忘れそうになりますが、程よいところでお開きとします。なぜならここは個人の宿ではないので、河野さんも山本さんも自宅に帰らなければなりません。

名残惜しいのですが、今宵の宴は終わり、一人自室に戻ります。

あとは聞こえるのは虫の声と、時々通り過ぎる風の音だけです。夜でも蝉の声が聞こえます。

自然に目を閉じ、眠りに落ちてしまいました。

自然に目が覚める、気持のよい朝の始まり

朝も、起してくれたのはセミたちでし。まさに蝉しぐれに包まれたようなお宿です。

蝉の声に誘われるように、「いかだや」の周りを散策します。

蝉の声、蝉の抜け殻、アブの羽音、横切る蝶の影、ささやく鳥たち、まるで自分が自然に抱かれているような気分になります。

さあ洗面を済ませると、またしてもお待ちかねの朝食です。

格子を通るやわらかな朝日の下で、美味しい朝食をいただきました。

image05

朝食が終わりました。大変に名残惜しく、後ろ髪をひかれる想いですが、「いかだや」にお別れする時間が参りました。

河野さんと山本さんに見送られ、そして蝉しぐれにも見送られ、「いかだや」を後にしました。

「いかだや」で過ごした、静かで穏やかな時間に包まれた気持ちのまま帰路に就きます。

image07

メニュー
閉じる
言語
閉じる