農業体験

新緑の南魚沼・八海山で春を感じる旅(前編)~農家民宿で山菜料理を満喫~

野菜、家族で楽しむ、自然が豊富、山間、料理がおいしい、夫婦で楽しむ

最長で9連休も!文字通りの大型連休となった今年のゴールデンウィークがいよいよ明日スタートという4月28日。南魚沼市農業体験大学校が主催する「山菜教室」に参加するため、東京駅から新幹線に乗車し新緑の南魚沼に向かいました。山菜採りと手打ちそばづくりをセットにしたこの体験は、毎年雪解けが始まる4月下旬から5月下旬にかけて実施されており、農業体験大学校が提供している数多くのプログラムの中でも一番人気の体験です。宿泊プランと日帰りプランの2つのプランがありますが、今回は宿泊プランで申込み。越後湯沢駅で上越線に乗り換え約20分で六日町駅に到着。事務局の桑原さんと合流し、1泊2日の旅の始まりです。

散りゆく桜を惜しみつつ、きのこ汁に舌鼓

最初の目的地は、今年1月にリニューアルオープンした農家レストラン「まつえんどん」さん。ランチタイムがスタートしたばかりでバタバタしていたこともあり、テーブルに並んだバイキング用料理の写真撮影を済ませ、お話しは後ほど伺うということでお店を後にしました。

続いて向かったのは、銭淵公園。ちょうど観桜会というイベントを開催しており、多くの屋台が並び、たくさんの人出で賑わっていました。実は、桑原さんも六日町観光協会として出展中。市内の飲食店で手作りした特製お花見弁当や南魚沼産コシヒカリのおにぎりの他に、ひときわ目をひいたのがきのこ汁。7種類もの地元産きのことたっぷりの野菜を使用しておりボリューム満点。味付けはしょうゆと水のみといたってシンプルですが、野菜やきのこから出る甘みが身体に優しいほっとする美味しさです。1杯300円という価格は財布にも優しいですね。魚野川沿いの桜並木の淡いピンクと残雪を抱いた山々のコントラストがとても印象的でした。

同公園は、大河ドラマ「天地人」の撮影が行われた場所でもあり、喜平次(のちの上杉景勝)と与六(のちの直江兼続)の銅像も設置されています。

その後、景勝の居城、坂戸城があったと言われる坂戸山をプチ散策。カタクリの花が見頃を迎えており、また、ごく身近に、木の芽やたらの芽、こごみなどの山菜が顔を出しており、明日の本番に向け、徐々に期待も高まります。

玄米の美味しさを伝えたい!元料理人の若夫婦が始めたこだわりレストラン

農家レストラン「まつえんどん」のご主人 三輪弘和さんは、地元で米づくりをしている専業農家の長男。金沢の大学に進学し、卒業後は、調理師としてイタリア料理居酒屋で10年ほど腕を磨きました。奥様の弥生さんは金沢出身。同じく調理師として和食のお店で料理長として活躍していました。そんな二人が出会い、めでたく結婚。そして、5年前に南魚沼にUターンし、実家の「みわ農園」に就農。20141月には、元々酒屋だった空き店舗を借りて5~6種類の総菜やお弁当、おにぎり、玄米ベーグル等を販売するお店を開店します。

みわ農園は、弘和さんとお父さんのマサオさん、それに1名のスタッフの計3名で、約20haの田んぼでもち米(こがねもち)と南魚沼コシヒカリを生産・販売していますが、特にこだわっているのが無農薬栽培の玄米。この玄米の味を多くの人に知ってもらいたいと、今年1月に新たに農家レストランをオープンしました。

ランチメニューは、バイキングの他日替わり定食やベーグルプレートなど6種類。一番人気はバイキング1,500円。日替わりの手作り総菜が約10種類に白米または玄米が食べ放題とのことですが、お客様のほとんどが玄米をオーダーするそうです。この日の総菜は、おからのコロッケや竹の子とがんもの煮物、肉とキャベツの味噌炒め、春カブと野菜のマリネなど。彩りも鮮やかで、どれもごはんが進みそう。さきほどきのこ汁を完食していたこともあり、バイキングは断念し、米粉カレーをオーダーしました。カレールーは、豆乳とバターナッツを使用しておりやや甘め。南魚沼産の米粉でとろみ付けしています。越後もち豚のスライスは軟らかくジューシー、ブロッコリーやニンジン、ジャガイモなどの付け合わせの野菜は、ドレッシングがかかっているわけでもないのに甘くしっかりとした味が感じられました。その理由は調理法にありました。一旦蒸すことで、野菜本来の甘みを出し、それから焼くいう手間を掛けていたのですね。さすが元料理人の知恵と技。ごはんはもちろん無農薬栽培の玄米をチョイス。玄米特有のパサパサ感が全くなく、もっちりとした食感が最高です。スープは新潟地鶏 翠鳥(みどり)からダシをとった鶏ガラベースで、シンプルながらもすっきりとした味わい。見た目以上にボリュームもあり大満足の一品でした。

素材本来の味を生かしたいとの想いから、お店で作る料理には、化学調味料は一切使わず調味料も指定されたものに限定しているとのこと。元料理人という経験を活かし、ごはんに合うおかずや食べ方の提案、加工品の販売などを通じて、おいしいごはんを届けたい、そして地域を盛り上げていきたいと熱く語っておられました。

農産物直売所も山菜が主役。明日は、年に一度の山菜祭り!

「まつえんどん」さんで、お腹も心も満たされたあとは、市内にある農産物直売所を視察。やはりこの季節、一番目に付く売場には、採れたての新鮮な山菜がところ狭しと並べられていました。ちなみにこちらの直売所では、明日は山菜祭りを開催予定とのこと。山菜教室本番のため、残念ながら参加できませんが、きっと多くの人で賑わうことでしょうね。

八海山の麓、農家の宿で山菜づくしの夕食を堪能

霊峰八海山の麓に佇む上村屋旅館は、昭和5811月に旅館業の営業許可を取得し、以来30年以上にわたって営業を続けてこられた老舗の宿であり、また、農林漁業体験民宿としてまちむら交流きこうにも登録いただくなど、日頃から大変お世話になっていることもあり、宿泊プランで申込みをした際に、ご紹介いただいた6軒の宿の中から迷わずこちらの宿を選ばせていただきました。

熱いお風呂でひと汗流しさっぱりしたあと、お待ちかねの夕食です。今回は山菜教室の宿泊プランということで特別メニュー、山菜づくしの夕食となりました。本日のメニューはこちら。山菜の天ぷら盛り合わせ(うど、ふきのとう、こしあぶら、こごみ)、木の芽のおひたし、うるいの酢味噌和え、うどとホタテのカルパッチョ、鶏肉の照り焼きサラダ仕立て、わらびと新タマネギの酢の物、生ハムのチーズ&うるい巻き、こごみのゴマドレッシング和え、カラスガレイの蕗味噌載せに、木の芽ごはん。お吸い物はうど、こごみ、わらびに加え、豆腐とサトイモと具だくさん。今が旬の山菜が、これでもかというくらいテーブルに並ぶなんとも贅沢な食事となりました。女将の上村孝美さんが腕によりをかけたご自慢の料理はどれも大変美味しかったですが、特に気にいったのが、木の芽のおひたし。シャキシャキとした食感の木の芽にたっぷりの鰹節とウズラの卵を絡めていただきます。うるいの酢味噌和えやワラビと新タマネギの酢の物もお酒のあてに最高です。ちなみに小さなグラスにつがれていたのは八海山の原酒。通常は冬の間しか味わうことができませんが、わざわざこの日のためにとっておいてくれたそうです。一口飲めば、芳醇な香りが口いっぱいに広がり、心地良い酔いが全身を駆け巡ります。美味しい料理とお酒を堪能し、明日の成果に期待を膨らませ、早々に床についた初日でした。

後編に続く

メニュー
閉じる
言語
閉じる