農家レストラン

美食のまち新潟市で3軒の農家レストランを食べ歩き

野菜、家族で楽しむ、郷土料理、料理がおいしい、夫婦で楽しむ

農と食が隣接する美食のまち新潟市に相次いで農家レストランが開業!

 国の成長戦略の施策の一つ「国家戦略特区」。2014年5月1日、新潟市は特区の指定を受けました。通常農用地区域には原則的に農業用施設以外の建造物を建てることができません。しかし新潟市では特区内の規制緩和措置として農家レストランが開業できるようになりました。その通達を受け、市内で農業を営む事業者が申請を行った結果、相次いで3軒の農家レストランがオープンしました。

ラ・トラットリア・エストルト

ボリューム満点!朝採れ自社農場産新鮮野菜のサラダ、自慢のトマトソースで作るパスタ

 JR新潟駅から白新線で3駅目の新崎駅で下車、新井郷川に架かる久平橋を渡り、川沿いを白新線の鉄橋に向かって歩くこと数分、左手奥に緑の屋根とあばら骨のような軒が特長の木造の建物が見えてきました。

 高儀農場が運営するラ・トラットリア・エストルトはトマトをはじめとする自社農場で育てた野菜、果物、肉を使った料理を提供するイタリアンレストランです。以前は農場の隣にあるビニールハウスで営業していましたが、新しい店舗を建築し5月14日グランドオープンしました。木の温もりが感じられる明るい店内は天井から床まで全て木の素材そのままを活かした造りで、席に案内されるまでの待ち時間も心地よく過ごせる雰囲気です。

 ランチはスタッフおすすめのパスタセットとサラダを注文、パスタセットはA、B、C3種類から選択可能でドリンクとフォカッチャが付きます。タカギベーコンと新玉葱、ルッコラのトマトソースのパスタセット(1,188円)とフルーツトマトとたっぷり農場野菜のサラダ(写真はレギュラー324円)をオーダー。ちょうど苺(越後姫)の出荷シーズンということで季節限定(3~5月末)の自家製いちごミルク(苺のコンフィチュール入り)を注文、サラダにもこの時期だけ特別に苺が入っていました。
 驚いたのがボリュームと野菜の艶、隣の農場で朝採れたばかりの野菜(カブ、ブロッコリー、カリフラワー、アスパラ等)はどれも力強さを感じます。甘みを楽しんでもらうため野菜は敢えて固ゆでにして提供しているとのこと、トマト、野菜そして苺の甘酸っぱさと香りがドレッシングと混ざり合い2人前のボリュームも感じることなく食べきれます。サラダ目当てに来るお客さんもいるというのもうなずけました。
 自家農場産フレッシュトマトで作るトマトソースを同じく自家農場産の厚切りベーコンと合わせた濃厚なトマトの風味のパスタは運営する高儀農場が生み出す原材料の質の高さを証明します。
 レストランの近くの田園を走る白新線の電車を窓から眺めながら木の温もりのなかでゆったりと過ごすランチタイム。現在は昼のみしか営業を行っていませんが、将来はディナーも検討したいとのことでした。

農園のカフェ厨房 TONERIKO

自社農場栽培の米・野菜を使った体に優しいメニュー

 2軒目の農園のカフェ厨房 TONERIKOに向かいます。JR越後線の越後曽根駅から越後平野の彼方にそびえる角田山に向かって気持ちよく田園地帯を突き抜けるまっすぐな道の先、その突き当たりの緩やかな曲がり角に「そら野テラス」が見えてきました。

そら野テラス内にはTONERIKOの他に芝生のテラス席、リクガメやウサギと遊べる小動物園、直売所「そら野マルシェ」、苺などの収穫体験が楽しめる「そら野ファーム」が併設されており、おしゃれな空間で様々なアクティビティーを満喫できます。

2016年5月20日にグランドオープンした農園のカフェ厨房TONERIKOは、農園での収穫、直売所での買い物を楽しんだお客さんに、ゆったり越後平野の田園風景や農場の景色を眺めらなら食事を味わってもらえるスペースです。野菜ソムリエの資格を持つ店長の藤田瑠美子さんを中心としたスタッフの皆さんの穏やかな対応がお店の顔でもあります。

トネリコランチ(1,000円)のコンセプトは、①自社農場で育てたコシヒカリを存分に味わってもらうためにご飯に合うメニューが基本であること。②旬の地元野菜を用いて、③地域のおかあさんが昔から作ってきたお総菜を取り入れることを心がけ、④野菜の素材の持ち味を活かすため薄味に仕上げ、⑤季節ごとにメニューを変えながら提供していくとのことです。
 ゴボウ、ひじきの食感と風味の良さが特長の新潟産豚のハンバーグ、味噌汁の原料の米、大豆も自社農場産を使用して仕込むなど安心、安全、無添加で優しい体になじむトネリコランチ。そこにはお話を伺った藤田店長の新潟市西蒲区への思いがたっぷり詰まっていました。

La Bistecca(ラ ビステッカ)

新潟県内産牛肉を使ったステーキランチ

JR越後線岩室駅から間瀬行きの路線バスで約10分、橋本地区のバス停で下車、来た道をしばらく戻った交差点の近くの駐車場の先に黒い屋根の真新しい平屋の建物を発見、赤と白でLa Bisteccaの文字が確認できました。

 イタリア語でステーキを意味する店舗名La Bistecca(ラ ビステッカ)は3月18日オープン。店からほど近い場所にあるフジタファームが運営するレストランで、一頭買いした新潟産牛の様々な部位を使った肉料理が味わえます。レストランの店内、テラス席からは美しくそびえる多宝山(たほうざん)の山並みを眺めながら心地よく食事を取れます。また店のすぐ隣には同ファームが運営するジェラテリアREGALO(レガーロ)があり、牧場で毎朝5時に搾乳した新鮮、濃厚な低温殺菌牛乳を使った18種類のジェラートが楽しめます。

ランチメニューの中から赤身ステーキ(130g:2,360円、ドリンク付き)を注文。サラダやステーキに添えられた野菜は近所の農場の採れたてのものを使用、米はフジタファームの社長さんが栽培している旧岩室村産のコシヒカリです。牛肉は一切冷凍せずチルド状態で保管しているので風味や味が損なわれません。シェフの松本信春さんが焼くステーキはほどよく火が通り、添えられたステーキ醤油に少し付けご飯に載せて食べると格別、肉汁たっぷりの赤身の肉はさっぱりとして和風料理感覚でいただけます。
 現在は新潟県産牛を使用していますが、フジタファームでは食肉用の牛の飼育を始めており、1~2年後には自社牧場産の牛肉使った肉料理を提供したいと松本シェフは抱負を語っていました。

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