農家レストラン

田園風景に溶け込む色とりどりのチューリップとともに満喫!砺波平野の春

農村体験、老夫婦で楽しむ、自然が豊富、郷土料理、料理がおいしい、夫婦で楽しむ

北陸新幹線開業で一気に近くなった富山県

 平成27年3月14日に開業した北陸新幹線。東京駅から乗り換えなしの2時間40~50分で富山県の新高岡駅に到着。真新しいホームから新幹線の高架下を交差して走るJR城端線に新設された新高岡駅へと乗り換え、春真っ盛りの砺波市へと向いました。お目当ては古民家を改装した農家レストラン。さてどんな風景と味覚に出会えるのやら。

チューリップが咲く日本の農村風景

 チューリップの球根の生産地として有名な砺波市。郊外に広がる田園風景「散居村(さんきょそん)」。4月下旬、あちらこちらでチューリップの畝を目にすることができます。立派な佇まいの農家と周りを囲むカイニョ(屋敷林)を背景に砺波平野に色とりどりのチューリップの花が咲き誇る様子はさながらキャンバスに描いた油絵を鑑賞している気分。球根を生育させるため残念ながら花は一定期間咲かせて摘み取られ、また連作障害を避けるため翌年同じ場所で花を見ることもできません。でも毎年どこの畑にどんな色の花が咲いているのか探すのが楽しみになるような美しい花の競演を堪能しました。

農家レストラン大門(おおかど)

 砺波市に築120年の古民家を改築した農家レストランが平成27年3月7日開店。そんな情報を聞きつけ、農家レストラン大門(おおかど)がある大門集落にやってきました。通りからは建物の全景は見えません。畑側にある正面玄関にまわると「アズマダチ」と呼ばれる砺波の伝統家屋が姿を現し、その見事な構えに圧倒されます。店中に足を踏み入れ周りをぐるりと見回すと、大黒柱、梁、戸板、贅を尽くしたその作りにただただ目を奪われるばかり、この場所で頂く伝承料理に益々期待は高まります。昼食の準備でお忙しい中、従業員から“女将さん”と慕われる取締役の境嘉代子さんにお話を伺うことができました。

 市が空き家となっている古民家の利活用を検討していた折、この建物が4年間空き家になっていたことから農家レストランとして活用してみたらとの要請を受けました。最初はお断りしていましたが、集落内で検討を重ね、最終的に住民で何とかしようと最初5人で株式会社を設立。最終的に約70名の地区住民に株主になってもらい運営を開始してようやく開業までこぎ着けました。
  料理は全部とはいかないが極力材料は地産地消を心がけ、山菜など旬の素材を取り入れ季節感を出したり、乾燥野菜など伝統的な食材も使い特徴を出しているそうです。
  時間に余裕ができてきたら将来は、食事のみならず、ギャラリーを設けたり、お客様にこの伝統家屋の素晴らしさを知っていただく内部観覧ツアーも企画してみたいといった構想もご披露いただきました。

女将さんオススメの伝承料理コース「恋茜(こいあかね)」

砺波地方で古くから仏事等で参会者が頂いていた精進料理を発展させたもので、干野菜を水で戻してから調理する等手間暇をかけ作られた“特別な”料理です。
①丸山(油揚げの中に山菜を詰めて甘辛く炊いたもの、これを目当てに来店する人もいるほど人気料理)、②いとこ煮(根菜類と小豆を炊いたもの)、③ゆびす(寒天を溶かして溶き卵を混ぜ固めたもの)、④山菜の天ぷら、⑤トマトのレモン漬け(程よい甘みのプチトマトにほんのりレモンの香りが爽やか)、⑥干ずいきの白和え(戻した干ずいきのシャキシャキした歯ごたえが特徴)、⑦紅白なます(砺波では油揚げ、名産の柚子が入るのが特徴)、⑧大門素麺(細く繊細な素麺に天然素材のみで取った上品な出汁がピッタリ、特産の玉ネギを出汁の隠し味で使用)、⑨葛切り(炒り酒で甘辛く仕上げたつけ汁でツルッと)、⑩よごし(茹でた小松菜をごま油で炒め仕上げに味噌で味付けたもの、温かい砺波産コシヒカリにのせて)

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