本格的なナポリピッツァが人気の「穂波街道 緑のイスキア」。東北初の「真のナポリピッツァ認定店」でもある同店では、隣接の畑で採れた新鮮な野菜を使用したピッツァやパスタ、リゾット等の本格イタリアンが食べられます。
店名の「イスキア」は、イタリア、ナポリ湾に浮かぶ島の名前で、別名「緑の島」とも呼ばれる、自然豊かで美しい島です。この店のピッツァヨーロ(ピザ職人)である庄司健人さんがかつてイスキア島でナポリピッツァ作りの修行をしていたことからこの名前をつけたとのこと。7月(取材時)、緑の揺れる田園地帯の中に建つ同店にはぴったりの名前に感じました。
平日でも、店内はたくさんのお客さんでにぎわっていました。
注文したのはピッツァクアトロフォルマッジと(4種類のチーズとバジルが載ったピッツァ)と自家栽培ルッコラペーストの生ペンネ。
ピッツァの生地自体は薄めで表面がパリッとしているのに、中はしっかりとしたモチモチ感。そして上に乗ったチーズはびっくりするくらいクリーミー。一般に、お店でいただくピザの中には、チーズの油分が多かったり味が濃かったりしてあまりたくさんは食べられないものもありますが、「緑のイスキア」のピザは軽い味わいで、何枚でも食べたくなる美味しさでした。
ピザを焼く窯も、本場ナポリで手作りしたものを船便で輸入したというこだわりの薪窯。400度以上にもなる窯の中でわずか1分半で焼き上げるのだとか。
一方、ルッコラペーストの緑が見た目にも鮮やかなパスタ。新芽を使ったペーストのからまったペンネの上には、アクセントとして採りたてのルッコラが乗せられ、素材の味が活きたフレッシュな美味しさでした。
見ているだけでわくわくするようなデザートの盛り合わせ。こちらもすべて店内で手作りしているとのこと。
地元だけでなく、市外、県外から多くのお客さんがこの味目当てに食べにくるというのも納得です。
同店がオープンしたのは1996年、今から20年前のこと。健人さんのお母さんである庄司祐子さんが、農場レストラン「穂波街道」をスタートしたのが最初でした。コンセプトは「種を蒔くことから始まるレストラン」。農業にベースを置き、店舗のすぐ隣の圃場で祐子さんが自家栽培した有機野菜や、旦那さんの庄司渡さんが代表を務める農業法人㈱ジェイファームで有機栽培したお米を調理し提供していました。
そんな「穂波街道」の看板メニューが本格ナポリピッツァになったのはそれから10年ほどが経った2007年のこと。前述の通りイタリアへナポリピッツァ作りの修行に行った健人さんが帰ってきたのを機に、店名に「緑のイスキア」が付け加えられ、リニューアルを果たしました。同時に、メニューもそれまでのものを一新し、本格イタリアンへと変化を遂げた同店。10年間この地でご両親が築いてきた土台に、息子の健人さんが新しい風を吹き込みました。
もちろん、リニューアル後も「種を蒔くことから始まるレストラン」というコンセプトは変わりません。提供しているピッツァやパスタには、店舗の隣で祐子さんが手をかけて育てた新鮮な野菜がたくさん使われています。
健人さんは現在、「真のナポリピッツァ協会」の審査員としても活動しており、他店の審査に赴くことも多いとのこと。
現在でもイタリアへは時々行くそうで、「現地へ行くと理想がすごく高くなって、『自分まだまだ頑張らなきゃ』と思いますね」と笑って言います。
「ピッツァは、一人でも食べるし、大勢でシェアして食べてもおいしい。そういう意味ですごく強みのある食だと思うんです。世代を超えて皆で楽しめる食って、そんなにないと思うので」。
「穂波街道 緑のイスキア」には、老若男女、たくさんの人たちの美味しそうな笑顔があふれていました。
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