現在、日本にどのくらいの数の海女さんがいるかご存知ですか?
その数およそ2000人。そのうち約760人が志摩半島に、さらに鳥羽市浦村町から志摩市阿児町までを結ぶ全長23.8kmのパールロード沿いに250人の海女さんがいるそうです。海女さんは鳥羽から志摩にかけての重要な文化のひとつ。今回は志摩半島の美しいリアス式海岸を眺めながら、周辺随一の絶景を誇る鳥羽展望台や海女さん文化が残る相差(おうさつ)集落、女性の願いを何でも叶えてくれるというパワースポットなどを訪ねる絶景ドライブルートをご紹介します。
パールロードは鳥羽市浦村町から志摩市阿児町までを結ぶ全長23.8kmのドライブルート。正式名を三重県道128号鳥羽阿児線といいます。
鳥羽方面から来ると最初に現れるのが浦神社。
境内には「目に効く」という石清水が湧きだしています。
これで目を洗うと目の病気が治るとか。階段は靴を脱いで上がるのが決まりだそうですが、わらじが置かれているのでこれに履き替えて登ってみてもよいでしょう。
次に現れるのが、パールロードのシンボル的存在「麻生の浦大橋」
昭和48年(1973年)に竣工した196mのニールセン系ローゼ桁の大橋で、青い海に弧を描く白い橋が美しい景観を創りだしています。周囲の海に浮かぶカキ筏が、伊勢・志摩らしさを醸し出します。
続いて箱田山の山頂にあり、パールロード随一の眺望と評判の鳥羽展望台へ。
海抜162メートルの展望台からは渥美半島から大王崎までぐるりと見渡すことができ、晴れた日には富士山が望めることも。鳥羽出身である鳥羽一郎の「兄弟酒」の巨大な歌碑もインパクトがあります。
土産店とレストランがあり休憩にもぴったり。ぜひ、ここの名物の、伊勢えびのコロッケバーガーにトライしてみてはいかがでしょうか?
続いて相差の集落へ入ります。海女と漁師の町といわれるように、相差は海女文化に触れられる施設が豊富です。観光案内所に併設された「海女文化資料館」には、昔の海女さんの作業風景のジオラマや、道具・磯着などが展示されています。入館料は無料なので、情報収集もかねてぜひ訪れてみましょう。
「海女文化資料館」の横には地元の氏神「神明神社」へ続く参道があります。神明神社の主祭神は伊勢神宮と同じ天照大神。実はこの神明神社、全国から参拝に訪れる女性が跡を絶ちません。
女性たちの目的は参道の社に祀られている「石神さん」。石神さんの神様は玉依姫命という海の女神で、女性の願いをなんでもひとつだけ叶えてくれるという言い伝えがあるのです。それでは早速お願いをしてみましょう。石神さんの前にピンクの色の祈願用紙が置かれているので、それに願い事をひとつだけ書きます。
そして鈴を慣らし、先ほど書いた祈願用紙を願い箱に入れます。
二礼二拍手一礼。気持ちを込めてお願いごとをします。
さあ、叶うでしょうか!?
ところで海を生活の舞台とする海女さんたちには常に危険が伴います。そこで海女さんたちが身に着けているのが、海の災難や魔物から身を守ってくれるといわれる「ドウマン」「セイマン」というお守り。縦5本、横4本の格子状のものは「ドウマン」と呼ばれ、多くの目があることから魔物をひるませ、退散させてくれると言われています。またセイマンと呼ばれる星形の印は、一筆書きで同じ場所に戻ってくることから、潜水しても必ず浮上できるということに由来します。
この手作りのお守りは、神明神社の社務所で手に入ります。厄除けに、祈願成就に、ひとつ手に入れてみてはいかがでしょうか?
参道の途中には昭和初期の古民家を改装した「海女の家」があります。
1階は特産品やドウマン・セイマングッズを販売。2階はカフェになっていて、スイーツを食べながら一休みすることができます。
人気はぷるぷるの食感が自慢のところてん。きなこか牡蠣ポン酢から選べます。
また、海女さんの獲った新鮮な魚介類を楽しみたければ「海女小屋」へ。
サザエやアサリ、アワビ、伊勢エビを目の前の炭火で焼いて食べることができます。現役の海女さんから海の話を聞きながらいただく海鮮は格別です。
せっかくなのでパールロードから少し足を延ばして横山展望台まで行ってみましょう。大小60あまりの島々と、幾重にも連なる岬が織りなす圧倒的な景色が自慢の横山展望台。
「横山展望台」「パノラマ展望台」「見晴展望台」「英虞湾展望台」が遊歩道で結ばれ、それぞれ違う角度から湾の絶景を眺めることができます。
いかがですか?伊勢・志摩を訪れたらぜひ絶景や文化、味覚が満載のパールロードをドライブしてみてはいかがでしょうか。新たな発見があるかもしれませんよ。