広間に仕切られたいろり端でいただく福冨士自慢の夕食。ほどよく熾きた炭の周りを串に刺さった野趣満点の素材の数々が囲みます。うるち米で作ったばんだい餅は甘塩っぱいたれともちもち食感で大きなみたらし団子のよう。ウズラ、イワナそして清流の珍味サンショウウオは癖がなく軽い塩味で躊躇なく丸ごといただけます。なんといってもおすすめなのがミンチ肉に味噌や山椒等秘伝の調味料を混ぜ竹べらで焼いた「一升べら」。調味料が肉の持ち味を数段にも高めます。炭火で軽く焦げ目が付いた塊を少量箸でそぎ取り竹筒の中で温まったかっぽ酒と一緒に味わうと最高の取り合わせです。鹿刺しや自家製のどぶろく、宿で収穫した山菜や花豆、締めには地粉で打った手打ちそばまで振る舞っていただき滋味豊かな栗山の郷土料理を堪能できます。