三重県大台町大杉谷地区は、秘境大台山系の麓、清流として名高い宮川の最上流部に位置する山郷で、その一部は吉野熊野国立公園に、また全域がユネスコの生物圏保護区(ユネスコエコパーク)「大台ケ原・大峯山・大杉谷」に含まれる自然豊かな地域です。富山県の黒部峡谷、新潟県の清津峡とともに、日本三大渓谷の一つに数えられており、国の天然記念物にも指定されています。
大杉谷自然学校は、平成13年に設立された官設民営型のNPO。過疎高齢化の著しい大杉谷地域をフィールドに地域の教育力(自然・人・文化)を活かした環境教育プログラムを提供しています。急速に失われつつある「地域の自然観や価値観」を次世代に伝える役割を担い、「持続可能な新しい社会」の創造に寄与することを目指しています。
(1)大台町の子どもから大人を対象とした環境教育
大台町教育委員会からの受託で、森林の学習、川の学習、地域学習等を実施。将来、地域の担い手となる子どもたちに、体験を通して地域を学ぶ機会を提供しています。
(2)一般の方、町外の学校への環境教育
大台町や各地域の資源を生かし、多くの方に自然の大切さや面白さ、そして何よりも恩恵を受けている自然を大切にする心、自然を利用する知恵を、体験を通して地域を学ぶ機会を提供しています。
大杉谷自然学校では、この他にもいろいろな事業に取り組んでいます。調査事業では、宮川の貴重な自然や、この土地で培われてきた文化や技術、毎日の暮らし等のさまざまな地域の財産を調査し、記録する活動を行っています。調査で知り得た事柄は、環境教育・体験プログラムに活かされています。