野村醤油の創業は明治の初め。江戸期は桶作りを営む老舗でしたが、初代・野村重吉がこの桶を使って現在地で味噌・醤油の醸造を始めたのが生い立ちと言われています。初代重吉は気風気質剛健で、正直なモノづくりが評価を呼び、大きなご愛顧をいただくまでに家業を成功させました。
第二次世界大戦中、諸物資が窮乏した折に、霊水たちの修行のために曹洞宗大本山永平寺に醤油を届けたことが縁となり、県内の醤油醸造所で唯一の御用達の免可を与えられました。
「ノムラ・富士重」の屋号で親しまれる野村醤油の美味しさの生命線は、なんといっても白山水系の雪解け水を集めて湧き出た良質で豊富な水と吟味を重ねた材料、そしてひたむきな醤油・味噌づくりへのこだわりです。特に、人の手を加えるのではなく、春夏秋冬という自然のままの温度でじっくり1年以上かけ発酵、熟成を行います。おかげ様で県内蕎麦店などのめん類のプロの方々から高い評価をいただいております。