廃校活用

日本が認めた木曽のいっぴん「すんき漬け」の体験に挑戦! ~ふるさと体験館きそふくしま(長野県木曽町)にて~

野菜、郷土料理、料理がおいしい

11月になると、長野県木曽町の農産物直売所の店頭には、すんき漬け用のカブ菜がたくさん並びます。

今回のすんき漬け体験の舞台は、長野県木曽町にある「ふるさと体験館きそふくしま」。
体験棟は1928(昭和3)年に建てられた小学校の校舎で、1996(平成8)年の旧黒川小学校の閉校に伴い、2002(平成14)年に体験交流施設として甦りました。
運営は地元の地域住民で構成するNPO法人ふるさと交流木曽によって行われ、木曽ならではの郷土食、木工、工芸品、林業、農業、歴史文化などの各種体験を楽しむ活動拠点となっています。

「すんき」とは、木曽の赤カブの葉を複数の乳酸菌で発酵させた、無塩の漬物。塩が貴重だった木曽地方の先祖の知恵が作り出した保存食品(発酵食品)です。

「長野県、長寿日本一の秘訣は減塩にあり!?」

無塩の食品で食物繊維が豊富、整腸や抗アレルギー等の乳酸菌の効用、優れた保存食としての栄養効果など、木曽の「すんき」が見直されています。

「すんき」は、信州の伝統野菜である木曽地域の赤カブを使います。

木曽地域の赤カブは、「王滝かぶ」、「開田かぶ」、「細島かぶ」、「三岳黒瀬かぶ」、「吉野かぶ」、「芦島かぶ」の6種類があります。

ふるさと体験館きそふくしまでは「開田かぶ」を使い、「すんき」を作ります。

1 カブ菜洗い

カブ菜の茎についた土を丁寧に洗い落とします。

2 カブ菜きざみ

カブ菜の茎を長めに切って漬ける「長漬け」という方法もありますが、今回は一口サイズに切る「切り漬け」で行い、漬かる時間を短縮させます。

赤かぶの実も土落ちがよくなるようにきめ細かく刻んでいきます。

すんき漬けを発酵させるためには微生物の餌となる糖分が必要で、発酵を進めるために、実に多く含まれる糖分を活用します。

入れすぎると味が濁るため、量の調節は加減が必要となります。

3 湯通しをし、種を加える

湯通しの前に、今年事前に漬け込んでおいたすんき漬け(すんきの種)を容器の底に振りまきます。

大きめの鍋に約60℃のお湯を使い刻んだ茎を入れ、温めます(数十秒湯にくぐらせます)。 発酵に必要な温度を与えるためで、長時間ゆでてしまうと栄養成分も失活してしまいます。

「茎をゆでて敷き詰める⇒前年のすんき漬けを散らす」、この作業を熱が逃げないうちに素早く何回か繰り返します。

 

4 押さえる

すんき漬けで重要な乳酸菌は総じて嫌気性(酸素を嫌う特性)で、保存する際には空気が入り込まないようにしっかり押し込んで密閉します。

最後にナイロンのひもで根元の部分でしっかりと結びます。

うまく漬かっていれば翌日には汁の色がピンク色に変わり、3 日ほどで特有の酸味を持ったすんき漬けが完成します。

本取材にご協力いただいた、大西かおりさん(NPO法人大杉谷自然学校校長)、加納麻紀子さん(NPO法人くまの木里の暮らし事務局長)、塩澤郷子さん(NPO法人ふるさと交流木曽事務局スタッフ)、この場をお借りし感謝申し上げます。

 

 

 

イチオシの廃校活用

旧黒川小学校を体験交流施設としてリノベーションし、2002年に「ふるさと体験館きそふくしま」がオープンしました。 開設は木曽町、運営は「NPO法人ふるさと交流木曽」により行われています。 「ふるさと体験館きそふくしま」では、各種体験を通じて都市と農村の交流を図るとともに、木曽地域の伝統文化等を伝承することを目的に、各種事業等が取り組まれています。

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