廃校活用

交流施設「はら笑楽交」の魅力を探る

農村体験、老夫婦で楽しむ、家族で楽しむ、山間、郷土料理、料理がおいしい、夫婦で楽しむ

福島県会津若松市の東部、猪苗代湖の西岸に接する湊町原地区に交流施設「はら笑楽交」はあります。地区の主要な産業は農業で、現在は大区画化が進み、農地所有適格法人も組織され、水稲・大豆・そば等を生産しています。

約125年の歴史を持つ会津若松市立原小学校は、平成11年3月、湊地区4小学校の統合により湊小学校ができたことに伴い閉校となりました。 閉校後、長らく放置されていた原小学校の校舎及び校庭は荒れ放題となり、地域住民すら近づかない施設となってしまいました。そんな中、地元住民、原町内会と地元農業生産組織が立ち上がり、地域の活性化に向けた拠点とするべく、再利活用の検討、そして改修を実施し、平成29年7月29日に『はら笑楽交』として生まれ変わりました。その翌日、7月30日に『カフェはら笑』がオープンするとのことで、その場に立ち会うこととなりました。

「カフェはら笑」のオープン

「カフェはら笑」は、毎週日曜日、11:00~15:00に営業します。店内は、白の壁を基調にとても落ち着いた雰囲気となっています。いよいよ開店初日、初めてのお客さんを迎えることとなりました。

「カフェはら笑」では、湊町限定「豆腐もち」をメインに、「はら・もち三種御膳(800円)」、「はら笑御膳(1200円)」、「満腹!はら笑御膳(1600円)」のセットメニューを提供しています。「はら笑御膳」では、豆腐もち、つゆもち(鶏ガラで出汁をとった会津地方の定番雑煮)、ニンジンご飯or蕎麦ダンゴ、旬野菜の肉巻き、漬物、ヨーグルト(ハックルベリーソース)、しそジュース(小)が出され、2ヶ月おきにメニューの一部が変わるとのことです。また、単品メニューは、コーヒー・紅茶(各300円)、冷やし甘酒・しそジュース(各200円)、スウィーツ(バナナケーキ、チーズケーキ/各200円)を提供しています。

写真上段左より、※豆腐もち、つゆもち、蕎麦ダンゴ、旬野菜の肉巻き、

写真下段左より、漬物、とろこてん、ヨーグルト(ハックルベリーソース)、しそジュース(小)

※湊町限定「豆腐もち」

湊町では、明治時代頃から、軽く油で炒めた豆腐に餅をからめて食べる「豆腐もち」が食べられています。標高530メートルの湊町は、高地にあることから米が冷害で採れない時がありました。その時、大豆や稗などを食していたことがあります。豊富にある清水を利用して、湊町上馬渡で豆腐が作られるようになり、「清水屋の豆腐」として、親しまれるようになり、その技術が湊町の大きな集落の農家へ伝わるようになりました。豆腐の食べ方は、木綿ごしだけでなく、さまざまあって、油揚げや厚揚という一般的なもの以外に、豆腐を炒めることもしていました。また、餅は、節句や冠婚葬祭などで来客があった特別なときにだけ振舞うものであり、そこに揚げた豆腐をからめて、上馬渡の清水屋で「特別なごちそう」として出したのが、湊町に広がりました。現在、湊町には豆腐店はありませんが、豆腐はふだんから食べられ、特別な日には「豆腐もち」を各家庭で作り食べています。

カフェオープンに向けて、平成29年6月に地元保健所による食中毒防止についての出前講座を実施。7月には、2度目となる試食会を山際食彩工房の山際先生を迎え実施。朝からお母さん方が腕を振るって作った地元の料理などを男性陣もいっしょにみんなで試食。メニュー、提供方法、衛生面等についてアドバイスをもらったとのことでした。

本日は、OB、OGや元教師の方など原小学校に縁のある方を中心に約80名が来訪。「カフェはら笑」を切り盛りする女性スタッフの皆さん、ほんとうにご苦労様でした。

蘇った「はら笑楽交」の様子

改修に際して、校舎の天井を撤去したところ、昭和7(1932)年7月13日建立の棟札が見つかり、建物は今から約80年以上前にできたことが判明したそうです。旧校舎の老朽化が激しい図書室・音楽室・家庭科室・理科室の解体、屋根の吹き替え、壁・天井の張替、教室のペンキ塗り、トイレ・厨房の整備、合併浄化槽の設置、旧講堂の改修等、約7カ月の改修工事を経て、「はら笑楽交」は蘇りました。

廊下には、原小の卒業生たちが制作した様々な記念品等が展示されています。

交流スペースは、カフェ開店日以外の平日に住民の憩いの場として開放されます。

校舎の奥は、はら笑楽交及び會津原宿保全会、株式会社グリーンファーム原(農業生産組織)の事務所スペースとなっています。

 

 

旧講堂は、株式会社グリーンファーム原の作業所となっています。

各種イベントの開催

はら笑楽交では、『【笑】笑顔で、【楽】楽しく、【交】交流』をスローガンに、原集落の「會津原宿保全会」や「原育成会」などと連携し、定期的にイベント【楽交シリーズ】を開催します。イベントの開催については、はら笑楽交のHP、facebook等をご覧ください。

◆田んぼの楽交【生きもの調査】 6月頃
 ・田んぼ周辺の生き物調査!子供会、育成会を中心として活動するよ。
◆田んぼの楽交【もち米栽培体験】 5月~10月
 ・グリーンファーム原の指導により、水田を借りて田植えから収穫まで体験します。餅つきなどもするよ。
◆畑の楽交 5月~8月頃
 ・じゃがいも(かんぷら)植え付けから収穫、そして調理まで体験するよ。
◆山の楽交 10月~11月
 ・はら笑楽交周辺のウォーキングや、薪割りなどを体験するよ。
◆遊雪の楽交 2月頃
 ・かまくら、そり遊び、スノーキャンドル作りなどで雪を楽しむよ。

     

    イチオシの廃校活用

    旧原小学校を交流施設としてリノベーションし、2017年7月29日に「はら笑楽交」がオープンしました。運営は、原町内会住民有志で構成するはら笑楽交プロジェクト実行委員会により行われています。 施設は、CAFE、作業実習室、交流スペース、事務所、作業所等で構成されています。

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