廃校活用

体験交流施設「ふるさと体験館きそふくしま」の魅力を探る

JR木曽福島駅から長野県林業大学校を経て、車で約15分。ここ木曽町黒川地区に、体験交流施設「ふるさと体験館きそふくしま」はあります。

管理棟郷土食そば処「四季」で、「すんき・とうじそば」を食す

まずは、管理棟にある郷土食そば処「四季」で昼食。スタッフお薦めの「すんき・とうじそば」を頼みました。木曽町産の蕎麦の実を使用し、挽きたての蕎麦粉で、毎朝食堂スタッフが手打ちそばを作るとのこと。そして、とうじカゴという蕎麦を入れるカゴに移して暖かい鍋で「しゃぶしゃぶ」する。木曽地域独自の食べ方だそうです。

さらに、その鍋に「すんき」を入れて食べます。この「すんき」とは、木曽のかぶ菜(かぶの茎)を塩を使わず乳酸菌だけで発酵させた漬物。この地方独特の冬場の漬物で昔から作られており、健康的なスローフードとして注目されているとのことでした。

体験交流施設「ふるさと体験館きそふくしま」で、この食事を目的に来る人と、郷土食体験を始めとする各種体験を目的に来る人とを併せて、年間約1万5千人の来訪者があるとのことでした。

体験棟 木造校舎の魅力を探る

体験棟の木造校舎は、1928(昭和3)年に建てられたもので、1996(平成8)年の旧黒川小学校の閉校に伴い、老朽化した施設改修を経て、2002(平成14)年に体験交流施設として甦りました。運営は地元住民で構成するNPO法人ふるさと交流木曽によって行われ、木曽ならではの郷土食、木工、工芸品、林業、農業、歴史文化などの各種体験を楽しむ活動拠点となっています。

建物は木造二階建てで、室内に入ると、落ち着いた趣きの中、過去にタイムスリップしたような気分になります。

階段の踊り場には、道祖神の写真が飾られています。ここ黒川地区は木曽町の中で一番道祖神が多い場所で、全部で18箇所19体の道祖神があるとのことでした。

階段の手すりは磨きこまれ、日差しに照らされより輝いて見えます。

2F廊下に上がると、たくさんの人形たちが出迎え、心を和ませてくれます。この人形は地元の80歳を超えるおばあちゃんの作品。

2F歴史資料館には、多くの民俗資料が展示されています。その中でも、特に、目を見張るものとして、閉校当時の平成9年3月の行事予定を示した黒板が今も大切に保存されています。

2F織物体験室には、たくさんの機織り機が置かれています。実際に各家庭で使われていた機織り機を地元の方々に寄贈していただき、修理をしながら使用しています。

織り方は「ぼろ織り」。昔の着物や野良着などの古着を細く裂き、新たな布を織り込むものです。

2F農林業展示室は、子どもたちが遊べるスペースとなっています。

2F農林業展示室の人気の遊びは、木製スマートボールとゴム鉄砲による射的。

1F農林業談話室の天井を見ると、1996(平成8)年の建設当時の梁がそのまま使われています。地元の人々が材木を提供してできた学校の証が垣間見れます。

小学校としての役割を終えた後、新たな役割として蘇ったこの体験交流施設で、訪れる子どもたちや親子の賑やかな歓声が聞こえてくることが、何よりも地元に元気を与えるのではないでしょうか。是非、体験交流施設「ふるさと体験館きそふくしま」を訪れ、充実した余暇を楽しみましょう。

 

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