直売所

良い直売所を見つける、7つのポイント

野菜、夫婦で楽しむ

 日本には今、約2万3千店を超す農産物直売所があると言われます。全国にはスーパーが約2万店ありますが、今やその数を上回る店舗数となりました。農産物直売所は、その土地の新鮮な農産物を買い求める場所として、私達の生活に定着した売り場になりつつあります。

 そこで、数ある直売所の中で、良い店を見極めるための7つのポイント(視点)を紹介します。この7つのチェックポイントに、自分ならでのこだわりを加え、お気に入りの直売所を見つけてみませんか。

1 開店時に行列ができる

 先着特典があるわけでもないのに、人気の直売所は平日でもお客様が開店前から並びます。ガラス越しに農家が並べる品々をチェックしたり、商品を運ぶ生産者に話しかけたり、客同士で情報交換してみたり。待っている間も楽しそうです。そして、開店と同時に目当ての商品に走ります。ターゲットは枝豆に、トウモロコシに、切り花に、トマトに、おはぎに、と、季節や客の好みで変わります。同じような野菜が沢山あるのに、特定の品から姿を消していくのも直売所ならでは。「○○さんのトマト」と、直売所のリピート客は指名買いをしていきます。

千葉県柏市かしわで

千葉県柏市「かしわで」

2 大量買いをしている人達がいる

 朝からかごやカートいっぱいに買い物をしている人達がいます。かごの中には、季節野菜、伝統野菜、新顔野菜や、規格外の野菜や果物が山盛りに。家庭用にしてはずいぶん沢山買い物をしている人達の多くは、地元の飲食店やホテルの料理人です。朝いちばんに直売所に並んだ商品を眺め、その日のメニューを考案するシェフもいます。料理のプロは見た目より味や質を重視するので、素材が良ければ形や大きさにはこだわりません。規格外品もソースやスイーツにアレンジします。地元の生鮮市場として料理人も利用している直売所は、品質も抜群です。

浜松 ファーマーズマーケット

静岡県浜松市「JAとぴあ浜松 ファーマーズマーケット東店」

3 季節により売り場の配置がガラリと変わる

 旬の農産物を売る直売所は、季節によって売り場のレイアウトが大きく変わります。店頭の一番目立つ場所にドドンと並ぶ商品が、最も旬のお薦め品です。ある時はイモだけ、ナスだけ、キュウリだけにもなります。柑橘の産地はミカン色のグラデーションに。東北の秋はリンゴや大根の紅白で彩られます。その時々の一番手の地場産物を主役に売るのが直売所です。年中同じ商品並びであったり、輸入物のバナナやオレンジが一番目立つ場所にある店は、それは直売所ではなく八百屋さんです。

よかところ

長崎県西海市「よかところ」

道の駅 十文字

秋田県横手市「道の駅十文字」

4 果樹や野菜を品種名で売っている

 直売所に通う多くの客は、農産物を「品目」ではなく「品種」で買いに来ます。カボチャではなく「バターナッツ」を。トウモロコシではなく「味来」を。ジャガイモではなく「デストロイヤー」を。桃ではなく「アカツキ」が欲しいのです。ブドウの産地の旬の売り場には、30品種以上も揃います。キュウリもナスも人参も、最盛期は在来野菜から新品種までが見事に並び、まるで野菜図鑑のような売り場になります。もちろん店のスタッフも生産者も、品種の知識が豊富です。

 作り方から食べ方、客の好みに合った品種のアドバイスまで、何でも教えてくれるでしょう。

道の駅 くりもと じゃがいも

千葉県香取市「道の駅くりもと・紅小町の郷」

トウモロコシ花野菜(かのな)

北海道恵庭市「道の駅花ロードえにわ 花野菜(かのな)」

5 生産者の意気込みが伝わってくる

 直売所の農産物は、ほぼすべて生産者から毎朝持ち込まれます。足りなくなれば店から畑に連絡が入り、また収穫して店に運びます。人気店は商品の回転も速く、店への生産者の出入りも多くなります。店の整理員や案内係として会員の生産者が当番で店に出ている所もあります。真っ赤な帽子や緑のエプロンを着けて店にいる生産者に色々尋ねてみてください。活字やネットには出ていない、とっとおきの情報を教えてくれるでしょう。たとえ店に生産者がいなくても、活気のある店は、棚や壁に貼られたコメントや写真から、生産者が語りかけてきます。

あさつゆの売り場

長野県上田市「あさつゆ」

秋田 岩城

秋田県由利本荘市「道の駅岩城・岩城産直会」

6 土地の言葉で会話がはずむ店

 レジの人のから話しかけられるなんて、スーパーでは決してありません。たぶん余計な会話は禁止でしょう。でも、直売所では「こうして食べてね」「最後の1つだから間に合って良かったね」と、店員に話かけられることもあります。もちろん客からの質問にも丁寧に答えてくれます。

 店のあちこちで、客、スタッフ、生産者の会話がはずんでいます。品出しをしているところで客から質問攻めにあっている生産者もいます。さらに別の客が加わり、会話が拡がります。レベルの高い質問には、「説明するから畑まで来て」と生産現場に招かれることもあると聞きます。

 方言で交わされる会話も直売所ならではの魅力です。初めての客でも常連客のように会話する、コミュニケーション力の高い人達が店を切り盛りしています。

あぐり 叶野さん

山形県鶴岡市「産直あぐり」

7 商品力そのもので勝負している

 直売所の多くが広告やチラシを出していません。建物も看板も飾りも最低限。棚や梱包資材は手作りやリサイクル品も多いです。人気のある直売所は、見映えやイメージではなく、売っている商品そのもので勝負です。あの直売所に行けば、「この土地の」「あの人の」「あの品物が」あるからと、目的を明確にしたリピート客や多くのファンを抱えています。

 種類の豊富な地元の野菜や果物。郷土の味が伝わる惣菜や弁当。昔懐かしい手づくりの餅や菓子や漬物がある店。その商品の魅力を作り手の人達が語ってくれる店であれば、そこは間違いなく良い直売所です。

道の駅なみの

熊本県阿蘇市「道の駅なみの」

自分のチェックポイントも加え、直売所がある暮らしを

 7つのチェックポイントに「漬物が豊富な店」、「地酒があるところ」、「試食が出来る店」、「野菜の宅配セットがある」、「料理教室を開催している」など、自分のこだわりも加え、行きつけの農産物直売所を作ってみませんか。

 直売所の商品は季節や気候に左右されるので、「今だけ」「ここだけ」「これだけ」という希少価値が高いのも魅力です。食品の購入先として農産物直売所が加わることで、料理の幅が拡がり、食卓が豊かになり、季節感のある健康的な食生活が送れることは間違いありません。

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